こんにちは。
レコード男子@キュリアスラボ です。
今日は、これまで実験的に行ってきたレコード洗浄についてまとめてみたいと思います。
Contents
レコードのメリットとデメリット
レコードのメリット
アナログレコードは、大きなジャケットでアーティストの思いやサウンドのイメージを伝えてくれるだけでなくその存在感からディスプレイやコレクションとしても楽しめます。そしてなんといってもデジタルとは違った音の柔らかさや拡がりを感じさせてくれるメリットがあります。
レコードのデメリット
その反面、レコードに刻まれた溝に沿って針が溝をトレースする時の針の振動を電磁誘導の原理で電気信号に変え、それをアンプで増幅してスピーカーを振動させて音を鳴らしているという構造により不都合もあるのです。
針とレコード溝が擦れる時の摩擦やゴミ、埃、傷、溝の成型ムラなど様々な要因によるノイズが音楽信号とともにサンプリングされ、増幅されることでチリチリ、プチプチ、バチバチといった雑音が出てしまいます。
まさにそれがレコードのデメリットとなります。
レコードクリーニングのススメ
もちろん、そういったアナログレコードならではのノイズもひっくるめてこそレコードを聴く楽しみだ、といえばそうなのでしょうが、やはり音楽をなるべく良い音で聴きたいというのが一般的な感性でしょう。
チリチリノイズやパチパチノイズの多くは、レコード溝に付着した汚れカスのようなものと針が接触することで発生します。
レコード溝をマイクロスコープなどで観察すると汚れを確認することができます。
要するに綺麗な音で音楽を聴きたいならまずは溝の汚れを排除すれば良い、ということになります。
つまりレコードをクリーニングすればノイズを低減することができるのです。
では、レコードのクリーニングにはどのような方法があるのでしょう?
レコードクリーナー
まずは、簡単な方法から。。。
レコード専用のクリーナーを使ってみましょう。
レコードクリーナーによりレコードの表面をきれいにするのは一番お手軽な方法です。
レコードクリーナーは、フェルトなどの柔らかい布の表面を一方向に揃えて荒くしたものです。汚れをカキ取ることでレコード表面の汚れを取り去ることができます。乾燥したまま使用する乾式と水分を含ませてより表面の汚れを取りやすくする湿式があります。
湿式は確かに汚れを取りやすくしますが、時間が経つと湿った個所に雑菌が繁殖してちょっと嫌な臭いがすることがあります。
お奨めは、乾式のクリーナとエアゾールタイプのレコードクリーナ(帯電防止、カビ予防などの機能がある)を組み合わせてレコード表面を拭くように汚れを取る方法です。
レコードクリーナースプレイの影響で音が変わることがあると言われていますが、汚れたレコードに針を落とすことで針によってかき取られた汚れがレコード上を移動することで、新たなノイズの原因となりますから拭かないより拭いたほうが良いでしょう。
レコードの水洗い・丸洗い
レコードクリーナーでお手軽にクリーニングしてある程度良い音でレコードを聴くことができればそれで良いと思います。
それでも、より良い音で聴きたいという方には、レコードの水洗い・丸洗いをお勧めします。
レコードにはレーベルがあり、水に濡れるとふやけたり剥がれたりして心配ですね。
そこで使用するのがレーベルカバーです。
アマゾンなどでも手軽に購入できるので試してみてください。
用意するもの
1.レコードレーベルカバー
2.レコード乾燥台(レコードが立てて置ける)
3.マイクロファイバー(レコードを傷つけず水分を効率よく吸い取る)3枚以上
4.洗剤(レコード専用の洗剤または、家庭用中性洗剤)中性洗剤は10倍ぐらいに薄めると良いとの説が有力。
5.純水(なければフィルターを通した水で代用)
6.ヘアドライヤー(必須ではありません)
7.新品のレコード中袋(袋が汚れていては洗浄したレコードが汚れてしまいます)(必須ではありません)
レコード水洗いの手順
1.レコードレーベルカバーを取り付ける
2.水でレコード全体を洗い流す(水道水で良い)
3.純水やフィルダー水で約10倍に薄めた中性洗剤をマイクロファイバーに浸み込ませ余分な水分を絞る。
4.レコードの表面を円周方向に撫でるように拭く。
5.水で洗剤が残らないように洗い流す(水道水で良い)
6.純水を布に浸み込ませて絞る
7.水道水のカルキを残さないように純水を浸み込ませた布で円周方向に拭く。
8.乾いた布で水分が残らないようにやさしく拭き取る
9.乾燥台に立てる(ヘアドライアの冷風を軽くあてて乾燥を早めても良い)
10.乾燥したら新しい中袋に入れる
超音波洗浄初号機導入!
さて、水洗いは。。。
でも、ここまで汚れたレコードを目の当りにしたらどうすればいいの〜?
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レコード汚れ
超音波洗浄ってどうなのかな!
ここまでの汚れだとレコードを洗うしかない。。。
それでは早速丸洗いを!
いやいや、だがしかし、ここまでの汚れなら、これを試してみたいなと思いました!
超音波洗浄ってどうなのか?
早速アマゾンで調べてみたら、
きゃっ!た、高い!
でもなんとか出来ないかな?
他の商品を眺めていたらお手頃な超音波発生ユニットを発見!
これを試してみたいと思いをレコード用の超音波洗浄機を試作することにしました。
高いなら作るしかない!
予算も無いし、ここは超音波洗浄ユニットを使って自分で作ってみたい。
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超音波洗浄機キット
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超音波発生ユニット
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ジャケット保護カバー
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レコード乾燥用スタンド
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高吸水タオル
バットにレコードと超音波発生ユニットをセットしてレコードの記録エリアが浸るまで水を入れる。
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幅が30cm 以上、深さが15cm 以上のバット
超音波発生ユニットの電源を入れて1分毎にレコードを回転させて超音波洗浄する。
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洗浄
洗浄が終わったら高吸水タオルで拭いて乾燥する
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乾燥
水に黒いカスのようなものが見える。
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バットの底にゴミらしき黒いカスが見える
まとめ〜!
ここまで、
・レコードのメリットとデメリット
・レコードクリーナー
・レコードの水洗い・丸洗い
・超音波洗浄初号機導入
についてお伝えして来ました。
超音波洗浄の真の効果については十分検証できたとは言えませんが、レコードに付着した汚れをとることは可能といえるでしょう。
今後さらに超音波洗浄の効果の確認をしてゆくとともに、本来の良い音でレコードを聴くという目的に沿った洗浄を施してゆきたいなと思います。
次回も超音波洗浄に着目したクリーニングを紹介するつもりです。